Pajamas for street '27hr'
Tops/ Black - Irish Linen 100%<Nun-Sister-uniform material>
size/ one
Bottoms / Black - Irish Linen 100%<Nun -Sister- uniform material >
Stripe- Cotton 100%<shirts material>
size / one
Made in England
浪人生だった18歳、未だ見ぬヨーロッパのファッションに憧れて、
勉強そっちのけでフランスやイギリスのストリートスナップを見漁っていた頃。
今でも度々思い出す1枚のスナップがあります。
ドレスコードのある華やかなパーティー会場で、一人の中年のおじさんが、寝癖ついたまま、ブルーストライプのパジャマにローファーという出で立ちで参加しているスナップ。
現代の日本においては、TPO、シチュエーションによるドレスコードは
あまり重要視されませんが、ヨーロッパでは未だに息づく文化です。
その事実を踏まえた上で、ファッションとしてのドレスとは反対の、着飾るのではなく、
究極のドレスダウンのシャレ、が
演出されたドレスダウンスタイルのパジャマルックであると自分は解釈しました。
現代ではもはやドレスダウンは当たり前、パジャマにドレスシューズやピンヒールを合わせるようなドレスダウンスタイルは誰もが1度は見たスタイリングかもしれません。
方向性は違いますが、きっかけはその疑問です。
既に存在する、ドレスダウンスタイルのパジャマルックではなく、
外で着る、ストリートできることを意識したパジャマがあればどんなのだろうと。
寝ることもできて、そのまま外に出ることも可能な。
独立する前の2008年から2016年までいろんな人に支えながら、
ERAという名前で、国内で少量の洋服を作ってきましたが、
何かと融通のきく日本で作るのではなく、コミュニケーションが難しく、
よりスリーピングウェアの根づいているイギリスで生産しようと企画を練りました。
こちらの意思が伝わりやすい日本という環境で作るより、このパジャマに関しては、不自由なコミュニケーションによる誤差もうまくデザインに乗らないかと考えました。
前回買い付けの際、アポを入れていたシャツパジャマを専門に作っている
ド田舎の小さなアトリエに出向きました。
デザインに関しては大まかには決めていましたが、
勝手の違うイギリスではどういう流れで生産に入るのか、想像はできませんでした。
先の理由にもあるように、パターンをこちらで日本から持参するより、
できればここで完結したかったのもあります。
ただ作りたいイメージがクラシックなものでは無かったので、
キャサリン(シャツアトリエの主)が興味を持ってくれないと
成立しない難しさもありました。
デザインは一見アバンギャルドですが、クラシックな洋服からの要素もあるので、
そこに気づいてくれ、結果的に話がうまく進みました。
流れる洋服文化を、またはそのルールを
揶揄することができれば面白いと思います。
Pajamas for street , ドレスダウンではないパジャマルック。
新しい解釈の新しいスタイルになることを願って止みません。
なんとか形になりましたので、よろしければご覧ください。
GERALD
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