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7/03/2022



LOCAL SHIRTS


 2年半ぶりのイギリス出張。

出張にいけない期間を経ての買い付けなので、

現地でしかできないことをしたいという意識が強くありました。





服を探しながら歩き廻りつつ、ローカルテーラーも探そうと決めていました。

目的は服を作ってもらうため。


今回作りたかったのはリネンのレジャーシャツ。


出発前のリサーチでは主に90年代の資料を集めてイメージを模索していましたが、

その中で、90年代の視点から見た50年代、70年代の衣類、

リバイバルが気になっていたのもあったので、

普遍的なレジャーシャツに決めていました。


また、生産はイギリスのハイクオリティな名門シャツメーカーではなく、

地元に根ざした、地域に愛された

小さなローカルシャツテーラーにレディメイドのサマーシャツを

オーダーしようと考えたのです。








予想通りテーラー探しは難航。

現存するローカルテーラーは予想通り少なく、イギリスはそのタイミングで

イースターからメイデーのバカンス期間中であり、留守ばかり。


そして、何軒目かのアプローチで訪れたヴィクトリア駅裏のテーラーが

「ほとんどのローカルテーラーはキプロスに帰省しているよ。」

と教えてくれました。


しかし、なぜにキプロス?


その時は分かりませんでした。


この企画は次回に持ち越しかなと思っていたところ、

Fulhamにローカルオーダーシャツメーカーがあることが分かり、

期待を胸に行ってみると、



抜け殻です。

廃業していました。

若いカップルと青い空がやけに画になっていてた古いシャツテーラー跡。


ダメ元で電話してみると、別の番号にかけろとアナウンス。

さらにその番号に電話すると、しゃがれ声の男性がハローと言っています。


「もしよければ、レジャーシャツを既成服でオーダーしたいのですが...」

緊張と疲労で自然と小さくなった声でいうと、

「店は最近閉めたんだ。今はキプロスにいるんだよ。ロンドンは税金も高いしね。」

挨拶から雑談と50年Fulhamでシャツメーカーとして営業していたことなど

教えてくれました。


「で一体何を縫うんだ?」


出発前に用意していたサンプルを基に、縫製仕様やシルエット、運針数、生地は平織りの純粋なアイリッシュリネンなど細かく

指示しようと意気込んでいましたが、

この電話で話しながら、直感でこちらの色(要望)を出すのはやめようという気になりました。


50年、つまり70年代はじめから80年代-90年代とロンドンに構えた

このローカルシャツメーカー。

自分が興味のある年代とともに存在したこのテーラーが考えるレジャーシャツを

彼が思うままに作ってもらう方が良い。

そう決めて帰国しました。


帰国後、色もお任せ、生地は彼の手元にあるリネンでと伝えたところ

薄いパープルとクリームベージュが用意されました。




なんというか、自分の気分とシンクロしてこの2色。

経過も自然で良い。



待つこと1か月、サンプル到着。

展開が決まりました。


' STEPHAN SHIRTS '

ロンドンに構えていたローカルシャツメーカーが作るレディメイドのレジャーシャツ

ステファンが考える、至って普通のレジャーシャツです


かえってこの感じは、気分に左右されず着れ、

特定のジャンル関係なく合わせることができるシャツになったと思います。


先行で薄いパープルは縫ってもらいましたので、ひとまず8日から展開します。







サイズはSmall, Medium (Regular fit)

Col./  lavender, cream

price ¥30000+tax


クリームはスワッチがありますので、ご希望があればオーダーをお受け致します。


ストックが無くなった場合にはlavenderも残り数枚オーダー可能です。


後日談で、買い付け終盤にイギリスの知り合いが教えてくれました。


「イギリスのテーラーは服もシューメーカーも職人の大半はキプロス出身者だよ」

「ローカルもサヴィルロウもそうだよ」

なるほど、それで皆キプロス...



8日までに次回オープン内容についてもう1回bloggerに記します。

暑い。